【歴10年教師が解説】主体的な学びとは何か?大切にするべき3つの視点
- 「主体的・対話的で深い学びと聞いたことあるけど、わからない。
- 「聞いたことはあるけれど・・・」
- 「生徒がやる気をもって授業に取り組めばいいんだよね。」
主体的な学びというのは、生徒がやる気を出して取り組めばいいと思っていませんか。
「主体的・対話的で深い学び」教員の専門用語で難しいと思うかもしれませんが、意外とすぐに実践できるものなんです!
学習指導要領に記されていることを読み解けば、主体的な学びについて理解できます。
中学校の理科教師として、10年働いた私が、授業力が向上できたと実感できたのは、学習指導要領を読み解き、主体的な学びを理解し、授業に落とし込んだときでした。
この記事では、私が「主体的な学び」とはなにか理科の授業をもとに解説し、私なりの解釈とその実践方法を紹介します。
①実生活と関連させた題材を扱う
②見通しをもたせる
③生徒自身の学びの振り返りをさせる
この記事を読むと、主体的な学びについて理解し、授業力の向上につながるヒントを掴むことができます。
結論は、3つのことを大切にして授業を行うと、生徒が主体的に学び、笑顔が増え、教師としての信頼も高まり、教師という仕事が楽しくなるでしょう。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの本がおすすめです。
はじめに
多くの教師は、「主体的・対話的で深い学び」と聞いたことがあると思います。
しかし、一体それは何なのかとはっきりとしないなかで、授業を行っていない教師もいると思います。
今回は、特に「主体的な学び」について解説します。
「主体的な学び」とはなにか理科教師である私が、若手の教師をターゲットに理科の授業をもとに解説し、私なりの解釈とその実践方法を紹介します。
もちろん、しっかりと勉強し「主体的な学び」を理解した上で、授業を行っている若手の教師もいることでしょう。
読んで実践に取り入れれば・・・
- 生徒が主体的に学ぶようになる
- 生徒の笑顔が増える
- 教師としての信頼も高まる
- 教師という仕事が楽しくなる
もちろん、若手の教師でなくても、理解していても、確かめるという意味も込めて最後まで読んでください。
主体的な学びとは
文部科学省が発行する【総則編】中学校学習指導要領解説では、授業改善の取組の視点として以下のように述べています。
『学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しをもって粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているかという視点。』
さらに、【理科編】中学校学習指導要領解説解説では、主体的な学びについて以下のように述べています。
『自然の事物・現象から問題を見いだし,見通しをもって課題や仮説の設定をしたり,観察,実験の計画を立案したりする学習となっているか,観察,実験の結果を分析し解釈して仮説の妥当性を検討したり,全体を振り返って改善策を考えたりしているか,得られた知識及び技能を基に,次の課題を発見したり,新たな視点で自然の事物・現象を把握したりしているかなどの視点から,授業改善を図ることが考えられる。』
さらに、学習指導要領解説の教科の目標において「学びに向かう力」の記述には、
主体的に探究しようとする態度を育てることが重要である。その際、自然体験の大切さや日常生活や社会における有用性を実感できるような場面を設定することが大切である
とあります。
※アンダーラインは筆者が追記。
主体的な学びを実現する3つの大切にすること
以上のことから・・・
①実生活と関連させた題材を扱う
②見通しをもたせる
③生徒自身の学びの振り返り
が大切であると読み取れます。
まとめると、「主体的な学び」とは・・・
実生活との関連させるような題材を選んで、興味関心を抱かせ、追究をしていく見通しを持たせて、学習を振り返って次につなげる学び
であると言い換えれます。
そんなの1時間では「無理」と思うかもしれません。1時間では無理です。
だから、1時間で詰め込むのではなく、「今日は実生活との関連を意識する。」「今日は、見通しをもたせよう」と1つずつ意識して授業を行うことが大切であると考えます。
ではどのように、実践に組み入れていけばいいか。
私の実践を例に説明したいと思います!
実生活との関連させた題材を扱う
実社会や日常生活と関連させた題材を選びましょう。
例えば・・・
気体の発生と性質を確かめる授業において、発泡入浴剤がとけるときに発生している気体はなにか。水にとかすと、二酸化炭素を発生しながらとけるが、二酸化炭素が発生しているかどうか確認する。
このように、実生活や身の回りの事柄を題材にすると、生徒は興味や関心を抱きやすく、主体的な授業になる一因になります!
また、題材に困るようであれば、教科書の片隅に載っていることが多いです。
教科書を参考に考えると良いと思います。ちなみに発泡入浴剤に関するアイディアは教科書から頂きました。
見通しをもたせる
見通しをもたせるために、最終的に何を理解したらいいのか。何ができるようになったらいいのかを生徒が言えるようにしましょう。
例えば・・・
実験を始める前の予想をしっかりと行って、どのような結果ができるのかを生徒が理解していれば良いというようなイメージです。
予想の時間をしっかりとるというのもよいですが、私は授業の結論を提示してしまうということもありだと考えています!
例えば、実験の計画を立てるときに、「困ったら、教科書を見て、どんな結果が出るのか見てもいいよ」ということもありだと思います。
また、「今回の実験は、水は水素と酸素に分解するんだけど、どんな実験をしたらいいか考えて」と結論を言ってしまうこともありだと思います。
生徒自身の学びの振り返り
終末でも、途中でも、どこでも大丈夫ですが、自分の学習を振り返り、次につなげるということです。
授業の最後に、今日の理解の振り返りを書かせることなどもいいです。
私は時間がないときには、挙手をさせて、隣の生徒に話をさせるということをします!
例えば・・・
授業の最後に、「今日の授業、理解できた人は挙手してください。」
「では、挙手できた人は、なぜ理解できたと思いますか。挙手できなかった人は次、何を頑張れば、理解が進むと思いますか。少し時間をとるので、隣の人と交流してください。」
といったかたちで振り返りをさせます。
私のクラスの場合、最初のうちは言えない生徒も多いですが、しっかり言えていた生徒を褒めながら、続けていくと多くの生徒が言えるようになりました。
文字として残らないので、(評定を決める)評価がしづらいので、単元の終わりなど、区切りをつけて書かせることも必要だと思います。
『対話的な学び』『深い学び』に関して知りたい方はこちらもご覧ください。
まとめ
「主体的な学び」を行うときに、大切にすることは①実生活と関連させた題材を扱う②見通しをもたせる③生徒自身の学びの振り返りをさせるの3つです。
この3つを意識すれば・・・
生徒が主体的に学び、笑顔が増え、教師としての信頼も高まり、教師という仕事が楽しくなるでしょう。
今回の解説はあくまで私の解釈も含まれています。一番大事なのは、自分の中で理解し、自分の中に落とし込み、実践することです。
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