【教師歴10年が解説】深い学びとはなんだ!?大切にするべき3つの視点
- 「深い学びと聞いたことあるけど、わからない。」
- 「深い学びっていうくらいだから、内容を深めたらいいんでしょ?」
- 「だれかに解説してほしい!」
『深い学び』という言葉を聞いたことがある教師は多くいると思います。しかし、内容を深く理解して、実践している教師は少ないのではないのでしょうか。
「主体的・対話的で深い学び」は教員の専門用語で難しいと思うかもしれませんが、意外とすぐに実践できるものなんです!
学習指導要領に記されていることを読み解き、理解して同僚の教師に差をつけてしまいましょう!!
中学校の理科教師として、10年働いた私が、授業に対して自信をもてるようになったのは、学習指導要領を読み解き、「深い学び」を理解し、授業に落とし込んだときでした。
この記事では、私が『深い学び』とはなにか理科の授業をもとに解説し、解釈とその実践方法を紹介します。
深い学びについて大切にすることは、見方・考え方を働かせて、知識を相互に関連させて身につけたものをもとにして、考えを形成することです。
この記事を読むと、深い学びについて理解し、自分の授業に自信がもてるようになるヒントを掴むことができます。
結論、この記事で示したことを大切にして授業を行うと・・・
生徒が深く学び、授業に自信がもてるようになり、教師としての信頼も高まり、教師という仕事が楽しくなるでしょう。
きっと指導案作成も楽になりますよ。
より深く学びたい方はこの本がおすすめです。
はじめに
「主体的・対話的で深い学び」と聞いたことがあると思います。しかし、一体それは何なのかとはっきりとしないなかで、授業を行っていない教師もいると思います。
今回は、特に「深い学び」の概要について解説します。
「深い学び」とはなにか・・・
理科教師である私が、理科の授業をもとに解説し、私なりの解釈とその実践方法を紹介します。
理解している方も再確認になると思うので最後まで読んでいただけるとうれしいです。
読んで実践に取り入れれば、生徒が主体的に学び、笑顔が増え、教師としての信頼も高まり、教師という仕事が楽しくなると思います!
深い学びとは【学習指導要領を読み解く】
文部科学省が発行する【総則編】中学校学習指導要領解説では、授業改善の取組の視点として以下のように述べています。
『習得・活用・探究という学びの過程の中で,各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているかという視点。』
さらに、【理科編】中学校学習指導要領解説では、深い学びについて以下のように述べています。
『「深い学び」については、例えば、「理科の見方・考え方」を働かせながら探究の過程を通して学ぶことにより、理科で育成を目指す資質・能力を獲得するようになっているか、様々な知識がつながって、より科学的な概念を形成することに向かっているか、さらに、新たに獲得した資質・能力に基づいた「理科の見方・考え方」を、次の学習や日常生活などにおける課題の発見や解決の場面で働かせているかなどの視点から、授業改善を図ることが考えられる。』
この2つから読み解くと・・・
まず見方・考え方を働かせることが重要です。そして、見方・考え方を働かせながら、知識を関連付けた理解が求められています。
身についた知識や技能を使いながら、考えを形成したり、問題を見つけ解決策を考えたりすることが求められていることがわかります。
①見方・考え方を働かせる
②知識を相互に関連させる
③身につけたものをもとにして、考えを形成する
が大切であると解釈できます。
ではどのように、実践に組み入れていけばいいか。私の実践を例に説明したいと思います。
見方・考え方を働かせる
見方・考え方は、学習指導要領によって各教科で記述されています。
理科では・・・
考え方は比較、関係付け、条件制御、多面的に考えるとまとめることができます。見方は各領域で異なり、「エネルギー」を柱とする領域(物理)では、量的・関係的な視点。「粒子」を柱とする領域(化学)では、量的・実体的な視点。「生命」を柱とする領域(生物)では多様性と共通性の視点。「地球」を柱とする領域(地学)では、時間的・空間的な視点。
と整理することができます。
この考え方や視点を大切にして授業づくりをすることが重要です。
知識を相互に関連させる
見通しをもたせるために・・・
以下のことを生徒が言えるようにしましょう。
- 最終的に何を理解したらいいのか。
- 何ができるようになったらいいのか。
実験を始める前の予想をしっかりと行って、どのような結果ができるのかを生徒が理解していれば良いというようなイメージです。
理科の場合、実験に対する予想の時間があります。
予想の時間をしっかりとるというのもよいですが、私は授業の結論を提示してしまうということもありだと考えています。
次のようなことも有効です。
- 実験の計画を立てるときに、「困ったら、教科書を見て、どんな結果が出るのか見てもいいよ」ということ
- 「今回の実験は、水は水素と酸素に分解するんだけど、どんな実験をしたらいいか考えて」と結論を言ってしまうこと
生徒自身の学びの振り返り
- 終末でも
- 途中でも
- 授業の導入の段階でも
どこでも大丈夫ですが、自分の学習を振り返り、次につなげるということです。
授業の最後に、今日の理解の振り返りを書かせることなどもいいです。
私は時間がないときには、理解できたか挙手をさせたり、隣の生徒に話をさせたりということをします!
例えば・・・
授業の最後に、「今日の授業、理解できた人は挙手してください。」
「では、挙手できた人は、なぜ理解できたと思いますか。挙手できなかった人は次、何を頑張れば、理解が進むと思いますか。少し時間をとるので、隣の人に自分の考えを話してしてください。」
といったかたちで振り返りをさせます。
私のクラスの場合、最初のうちは言えない生徒も多かったです。
しかし、しっかり言えていた生徒を褒めながら、続けていくと多くの生徒が言えるようになりました!
文字として残らないので、(評定を決める)評価がしづらいので、単元の終わりなど、区切りをつけて書かせることも必要だと思います。
『主体的な学び』『対話的な学び』に関して気になる方はこちらの記事もご覧ください。
まとめ
『深い学び』を行うときに、大切にすることは・・・
①実生活と関連させた題材を扱う
②見通しをもたせる
③生徒自身の学びの振り返りをさせる
この3つを意識すれば生徒が主体的に学び、笑顔が増え、教師としての信頼も高まり、教師という仕事が楽しくなるでしょう。
①〜③はすべてを1時間で行おうとするのではなく、3つを意識して授業を計画していくことが大切です。
すべての教育活動でそうですが、意識を持ち続けて、すこしずつ実践を積み重ねていくことが重要だと思います!
頑張っていきましょう!
『深い学び』についてより深く学びたい人はこちらの本がおすすめです。
私は教師して技量を向上させたいなら、読書が必須になると考えています!
読書する習慣がない人はこちらのサービスを活用してください。
私はこのサービスのおかげで、月に5冊の読書が余裕になりました!